日本でここでしか味わえないメロンをあなたに。受け継がれた栽培法で育てる、極上メロン誕生秘話。
あったか野菜農園「メロンの誕生秘話ページ」へようこそ!
このホームページやこちらの秘話をご覧いただいているあなたは、きっとメロンが大好きな方だと思います。
インターネットでメロンを探されていらっしゃるあなたは、普段食べているメロンより美味しいメロンが食べたい!
また、メロンってどうやって育ててるんだろう?安全な育て方はしてるのかな?
そんな関心も持っていらっしゃるのではないでしょうか。
あったか野菜農園では、祖父や父から受け継いだ栽培法を大切に、私なりのこだわりを取り入れながらメロンを育てています。
こちらのページでは、日本中であったか野菜農園でしか食べられない、極上のメロンが育って収穫できるまでの「メロン誕生秘話」をご紹介いたします。
もくじ
- 1 最高糖度18度を記録する、あったか野菜農園のメロン。
- 2 日本一あたたかな気持ちになれるメロンを目指して、極上のメロンが誕生するまでの育成過程をご紹介いたします。
- 2.1 曾祖父の代から90年続く歴史ある土壌で命を育てています。
- 2.2 農業で使う用語のご説明
- 2.3 当園の農薬に対する姿勢・使用について
- 2.4 私の肥料への想い
- 2.5 土壌の肝、団粒構造について
- 2.6 メロンに最適な肥料の選別、土壌や季節に合った投入量の計算。
- 2.7 メロン栽培のスタートは「種蒔き」から!全てはここから始まります。
- 2.8 メロンの育つ環境を変える「鉢上げ」
- 2.9 最終的にメロンが育つハウスへ苗を移す「定植作業」
- 2.10 メロンの実の育成に合わせて行う「温度管理・水分管理・摘果・皿敷き」
- 2.11 初期肥大から硬化期、ネット発生期を経ていよいよ「収穫」へ。
- 2.12 収穫したメロンを一つ一つ検品!いよいよメロンがあなたのもとへ。
- 2.13 収穫・発送が無事に終わったら、来年に向けメロン栽培最後の作業の始まりです。
- 3 私たちのこだわりが詰まった貴味メロンは、こちらからご注文いただけます。
- 4 メロンと同じこだわりを持つ、熟成釜茹で干し芋はこちらから。
最高糖度18度を記録する、あったか野菜農園のメロン。
東京駅で2玉2万~4万円ほどで販売されている、高級メロンの代名詞「クラウンメロン」や、初競りで2玉500万円の高額な値段で取引されたこともある「夕張メロン」、実はその糖度出荷基準は13度とそれほど高くはありません。
スーパーで販売されているメロンに関しても、糖度の平均は13度ほどが多くそれを下回るものも販売されています。そんなメロン界で糖度が16度を記録するメロンはとても甘いとされ、規格でも最上位に位置します。
その中でも、
糖度18度を記録するメロンは生産率が低く、茨城県でも全体の1%
と言われています。
祖父が始めたメロン栽培ですが、6月になると毎年食べさせてもらっていました。東京で就職後暫くしてから帰郷し、就農してから久しぶりに食べた祖父のメロンは、昔と変わらずとても美味しかったことを今でも強く覚えています。
祖父や父が昔から作っていたメロン
就農後農業に勤しんでいたある日、「昔から何気なく食べていた家のメロンってどのくらいの甘さなんだろう…」と糖度を測ってみたことがありました。
その糖度、なんと18度!!
就農して間もない私でも、祖父や父が作るメロンって凄いんだ!と気付かされ、そんな甘くて美味しいメロンをいつか私も自分で育てたい!と強く思い今のメロン栽培に至ります。
家族に教えてもらいながら自分なりに試行錯誤し、祖父から伝わるメロンを育てられるようになった時の喜びは何者にも代え難いものでした。
日本一あたたかな気持ちになれるメロンを目指して、極上のメロンが誕生するまでの育成過程をご紹介いたします。
曾祖父の代から90年続く歴史ある土壌で命を育てています。
曾祖父が約90年前にこの地の木々を開墾し、現在の農園を開きました。
野菜を育てるにあたり、同じ場所で同じ作物を育てていると土壌内の栄養が偏ったり、一定の病原菌が多くなって野菜の育成が悪くなる連作障害と呼ばれる症状がでることがあります。
曾祖父の代から90年同じ土で農産物を育てているからこそ、
当園では連作障害を起こさない為に、必要に応じて下記の4つの対策を土壌に施しています。
土壌検査
土壌検査は、人間でいう健康診断です。
土壌内の状況は人間の感覚だけでは把握しきれない部分があるため、土壌の検査をして肥料の量は適正か、栄養バランスは崩れていないかをチェックしています。
当園は有機肥料を主体とした栽培法でメロンを育てていますが、この検査をすることで微生物が有機肥料をどのくらい分解できているかを想定・算出して、次回の肥料をまく量を決めています。
肥料濃度を下げる潅水(かんすい)
ハウス内で野菜を栽培しているとどうしても雨などに土がさらされないために、土壌内に必要以上の養分が蓄積されることがあります。
蓄積し過ぎた肥料や栄養素は逆に農産物へ害をなし、必要な栄養素を野菜が吸収できない状態にしてしまうことも。
私たちは土壌内の肥料分が必要以上に蓄積しないように、土作りの前に意図的に水をたくさんかけ、土の肥料濃度が濃くなり過ぎないように気を付けています。
普段よりも深く土を混ぜる深耕(しんこう)
トラクターで肥料を施肥(せひ)後に土を耕しますが、同じ深さで混ぜていると土壌内の栄養素や菌などの様々な循環が悪くなることがあります。
土壌検査で改善が必要と診断された時や農産物に異変が起きた場合に限り、必要に応じて普段より深い所の土と表面の土を混ぜて土壌内の栄養素や微生物の状態が均一になるように耕します。
耕すにはトラクターを使いますが、深く耕す場合は専用のロータリーに変更します。
この普段よりも深く耕耘(こううん)する作業を深耕と言います。
太陽熱の力で土壌内を殺菌
特定の病原菌が土の中に繁殖しやすいメロンでは、栽培が終わった後土の上をビニールで覆い、ハウス内の換気を閉めて中の温度を上げる作業を施します。
これは、太陽熱を利用した農薬を使わない自然の土壌消毒法なんです。
太陽熱による地温上昇を利用し、土の中の悪い病原菌や雑草の種子などを死滅させることが目的です。
有機肥料を主体としている私たちの栽培法は、農薬だけの使用では良い微生物相まで壊してしまうので、毎年この方法で対策をしています。
農業で使う用語のご説明
【潅水(かんすい)とは?】
ハウスに専用のホースを設置し、土や野菜に水をかける事を言います。
【施肥(せひ)とは?】
機械や手作業で、土に肥料をまくことを言います。
【耕耘(こううん)とは?】
トラクターなどで土をたがやすことを言います。
当園の農薬に対する姿勢・使用について
私は、本来であればメロン自体に必要のない農薬は使いたくありません。
ところが自然のままにメロンを育てていると、アブラムシやうどんこ病が蔓延した場合育成障害がでて、メロンを全て処分することにもなりかねません。
アリが運んできたりもする病害虫や菌、
私たちは肥料同様しっかりと毎回使用量を計算し、国が定めた必要最低限の農薬を使用してメロンの品質を守っています。
また、私たちの農園は鉾田市が実施しているほこまるGAPの監査を毎年受けています。
【ほこまるGAPとは?】
農家の農業生産工程管理がきちんとなされているか、第三者の立場から鉾田市がチェックしてくれる鉾田市独自の取り組みです。
GAPとはGood Agricultural Practicesの頭文字をとった言葉で、直訳するとよい農業の取組という意味になりますが、一般的には農業生産工程管理と呼ばれています。
農業生産工程管理とは、農産物を作る際に適正な手順や資材の管理を行い、食品安全や労働安全、環境保全等を確保、管理する事を指します。
あったか野菜農園ではGAPに取り組むことで、お届けする野菜の安全や自然環境の保全、生産者の労働安全や人権の保護に配慮し、未来に繋がる農業・農産物を目指しています!
当園ではGAPの取り組み以外にも、野菜に使用した農薬が残留していないか調べるべく、外部の機関に厳しい検査を依頼し、万全の態勢で安心・安全な農産物作りを行っています。
外部機関の検査で残留農薬が検出されたことは一度もありませんので、安心して当園の農産物を召し上がりいただけたらと思います。
私の肥料への想い
突然ですが、あなたは化学肥料についてどんなイメージをお持ちですか?
「化学肥料=悪」というイメージをお持ちだったりはしませんでしょうか。
実は私も就農するまではそう考えていました。化学肥料は土に良くないから使わない方が良い、自然の有機肥料だけを沢山使えば美味しい野菜が育つと…。
確かに化学肥料の種類によっては、その扱いに最新の注意を払わないといけないものもあります。また、必要以上に沢山使用してしまっては土壌を汚染したり悪影響が出るのも事実です。
ですが、
有機肥料も化学肥料も野菜に吸収される時は同じなんです。
化学肥料が悪くて有機肥料が良いというのは大きな誤解で、
どんな肥料をどういう目的でどのくらい使うかがとても大切です。
有機肥料について
有機肥料は天然の肥料分で、カニ殻やなたね油かす、骨粉や堆肥など、主に土壌内の微生物の餌となり、その微生物が分解したものが最終的に野菜に吸収されます。微生物が分解して初めて野菜の栄養になるので、吸収が穏やかですぐ効果は発揮されません。
また、有機肥料は土の中の微生物の餌になることから、微生物の種類が増えて農作物が育ちやすい土になります。
微生物が分解できなかった有機物の一部は土に残り団粒形成を促します。その結果水分の保水性や通水性を良くし、肥料の保持力も上がり肥沃な土壌を形成します。化学肥料にはこの効果はありません。
栽培に時間がかかる野菜や土壌改良に使用されることが多い有機肥料ですが、土壌や季節に合った微生物の肥料分解率を計算して施肥しなければ過剰になってしまうため、扱いが難しい肥料でもあります。
化学肥料について
化学肥料は人間が有機物質(天然の肥料)から意図的に栄養素を抽出または再現した肥料で、野菜への吸収率が早くその分効果も大きいです。
ただ、土壌内の微生物の餌にはならず、土壌環境(肥料の保持力や通水性・保水性など)の改良はしてくれません。また、多量に使用し過ぎると土壌環境が悪化しやすくなります。
即効性があり記載されている養分をそのまま野菜の肥料分として施肥できるため、扱いやすく効果も分かりやすいのが特徴です。
農作物が目に見えて疲弊していたり、肥料不足の症状が出ている時は、化学肥料の方が効果的な面もあります。
ホームセンターなどでよく販売されている家庭菜園用の液肥。これも化学肥料に分類されます。
私たちは土壌内の微生物や環境を活性化するために、カニ殻やなたね油カスなどの有機肥料を主体とした土作りをしています。化学肥料は、有機肥料だけでは不足してしまう要素を補うという目的のもと、必要最低限の使用としています。
土壌の肝、団粒構造について
土壌内には団粒構造といって、昆虫・ミミズ・小動物や作物の根、土壌微生物から排出される分泌物、カビの菌糸などが接着剤の働きをして団子状の粒子を形成する現象があります。
団粒化は作物の根の張りを助け水分の保水性や通水性を良くし、肥料の保持力も高い肥沃な土を作ってくれます。
メロン栽培は2月から6月までの長期に渡るので、長くゆっくり効く有機肥料と即効性のある野菜が吸収しやすい化学肥料を適量投入します。
この際に大事なのは、メロンに最適な多過ぎない肥料量です。
有機肥料だからといって多量に土へまいてしまってはかえって土壌環境を悪化させ、バランスが崩れた栄養素からは野菜が肥料をきちんと吸収できません。
それを防ぐために化学肥料の投入計算はもちろん、
当園では有機肥料を土壌内に投入した際の、微生物の肥料分解率まで計算して施肥しています。
その分解率は季節によっても違います。季節ごとに肥料の施肥量を変え、投入する野菜に合った最適な肥料を必要な分だけ投入しています。こうする事で、連絡障害が起きづらく病気になりにくい元気な野菜を育てています。
土壌の地層内には、上記のような団粒構造が存在しています。
団粒構造は農産物を育てるのにとても重要な要素ですが、化学肥料ばかり投入しているとこれが形成されません。かと言って有機肥料を大量に入れると土壌内の微生物や肥料量のバランスが大きく崩れ、野菜が上手く栄養を吸収できません。
また、有機肥料は窒素の割合が多いのですが、大量に投入するとえぐみや苦味の原因になり葉の色も不自然に濃くなります。
メロンに最適な肥料の選別、土壌や季節に合った投入量の計算。
栽培期間が長いメロンは肥料や微生物などの土壌の健康状態が大きく関与し、それが顕著に現れます。
一度投入した肥料は簡単には正せず、その年のメロンの出来自体も大きく変えてしまいます。
当園はきちんと発酵したとんぷんや植物由来の堆肥で土の基盤を作り、有機肥料であるカニ殻やなたね油カスを主体とした根が張りやすいフカフカの土作りをしています。
肥料分の中で特に気を付けなければいけないのが、有機肥料に多く含まれやすい窒素。葉や茎の養分である窒素ですが、量が多過ぎると実が育たずえぐみの強いメロンになってしまいます。
当園はえぐみのないみずみずしく甘いメロンを育てるべく、肥料を投入する際はしっかりと計算をして必要な量だけを施肥し、メロンに最適な土壌を作り出してからメロンの育成をスタートさせます。
⇒私たちの使用しているこだわりの堆肥や肥料は、こちらで詳しくご紹介しています!
メロン栽培のスタートは「種蒔き」から!全てはここから始まります。
近年は農家の人手不足や作業の簡略化から苗自体を買ってきて育てたりしますが、私たちは種から全て手作業で苗を育てます。
その理由は、自分たちで理想の苗を育てるためです。メロン栽培は種蒔きから収穫まで約4ヵ月かかります。その期間丈夫でしっかりとした強い苗を育てないと、途中で枯れたり病気にかかりやすい弱い苗になってしまい、結果大きく美味しいメロンは育ちません。
先ずは種をまく苗箱に土を入れていきます。しっかり根が張るように、四隅までしっかり土を入れるのがポイントです。
メロンの種をまく2月はまだ寒いので、種をまく前日に苗箱に土を入れ水をかけ、発芽しやすいように保温しておきます。
「苗半作」という言葉が農業にはあります。これは苗の出来で作物の良さの半分が決まるという意味で、作物にとって苗を育てる作業は非常に重要な作業となります。
土を保温した翌日、私の父お手製の農具でメロンの種をまく穴を作っていきます。市販品や指で穴をあけるよりも効率的で使いやすく、最適な深度の穴を作り出せます。
ご覧いただいているあなたは器用な方でしょうか?私は不器用なのですが(笑)、手先の器用な父はなんでも作って活用します。
農業一筋40年のベテラン農家の父、どんな仕事も笑顔で明るくこなす朗らかな母、私に寄り添い同じ目線で作業をしてくれる妻。家族みんなの献身的な支えがあって、初めて美味しいメロンを育てられるんだと日々感謝しています。
先ほどの器具で作った穴に、一つ一つ丁寧に種を落としていきます。種は、前日から水に浸して外皮を少しふやかしておくと発芽しやすくなるんですよ。
あなたはメロンの種をよくご覧になった事がありますか?メロンの種は小指の先に乗るほど小さいので、種をまく時は非常に気を使います。
メロンは尖っている先端の部分から根が出るので、その部分が下になるように慎重且つ丁寧に種をまいていきます。
メロンの種をまいたら、上から土をかけてメロンの芽が出るまで専用のトンネル内で育成します。苗箱の下には電熱線が通っており、寒い2月でも発芽しやすい環境を作り出しています。
保温シートを被せ温度計を見ながら一定の温度で保育させ発芽を促すのですが、きちんと芽が出てくれるか、発芽が確認できるまでは毎年ドキドキしながら過ごしています。
メロンの育つ環境を変える「鉢上げ」
メロンが元気に発芽している様子です。
寒いからといって苗箱の温度を高くしてしまうと、土から葉までの茎の長さが必要以上に長くなる「徒長」という状態になってしまいます。ひょろひょろとした長い苗は弱く育ちにくいため、この段階からメロンの善し悪しが決まってきます。
種まきから2週間、双葉という発芽に必要な葉の後にメロンの本葉が出てきます。
その本葉が少し開いた状態が確認できたら、よりストレスなく育ちやすい環境に苗を移す「鉢上げ」という作業を行います。
苗一つ一つを丁寧にポットに移していきますが、苗を植える深さを間違えるとポット内に上手く綺麗に根を張ってくれず、後の育成に大きな影響をもたらします。
とても手間がかかり、繊細な作業の連続なので神経を使いますが、「美味しいメロンをあなたに届けたい!」という思いから、毎年家族皆力を合わせて作業に挑んでいます。
この作業終了後、再度電熱線の入ったハウスに苗を戻し、毎日温度や水分の管理をしながら丈夫で元気な苗を育てていきます。
最終的にメロンが育つハウスへ苗を移す「定植作業」
鉢上げから約1ヵ月程した3月、メロンの苗も大分大きくなります。
この段階までメロンが成長すると、鉢上げで移したポット内では育成の環境が狭くなってくるため、最終的にメロンが育つハウスへ植え替える「定植」という作業を行います。
その定植前に大切な作業が一つあります。メロンは、本来の茎から幾重にも別れた孫づると呼ばれるつるに実を付けるのですが、狙った孫づるに実を付けられるよう、定植前に本来の茎(親づる)の先端を摘む「摘心」という作業を一つ一つの苗に行います。
この作業を終えたら、堆肥や肥料で土作りをしたハウスに苗を植え替える、定植作業の開始です。
ポットから苗を出した所です。取り出したポットいっぱいに力強く、真っ白に見えるほど根が張ったものが良い苗と言えます。
上記の写真の様な苗は、大きく美味しいメロンを育てる為には欠かせないので、私たちはいくら手間がかかっても種からメロンを育てることにこだわっています。
等間隔に一つ一つ丁寧に苗を植えていきます。この植え方にはコツがあり、しっかり植えないと苗が上手く土に根付いてくれません。
とても難しく技術を要するこの定植と鉢上げの作業で、私は今まで幾度も失敗し悔しい思いをしてきました。
今でも父や母の様に上手くできない部分もありますが、「祖父や父のように美味しいメロンを作りたい!メロンが大好きなあなたに美味しいメロンを届けたい!」その一心から、毎年挑戦・勉強の精神でメロン栽培に臨んでいます。
メロンの実の育成に合わせて行う「温度管理・水分管理・摘果・皿敷き」
メロンの雌花が着果し、メロンの赤ちゃんが顔を出しました。
定植をした3月から実を付けるまでの4月、季節と共に外の気温は朝晩大きく変化します。
メロンは温度にデリケートな農産物です。私たちはメロンにストレスがないよう、毎日朝晩や日中の気温の変化に合わせて、ハウス内に設置したトンネルや、ハウス自体の換気で温度を細かく調整しています。
メロン栽培においてこの期間は特に家を長く空けられませんが、家族一丸となってメロンに向き合います。
その中で不要な葉や花、つるを摘む「整枝作業」という作業を、メロンの成長に合わせて数回行います。
整枝作業は虫の繁殖を防ぎ風通しを良くして病気の発生を抑え、必要な実に栄養を行き渡らせるとても大事な作業です。一つ一つのメロンに行うのでとても時間と労力がかかる作業ですが、メロンが育ちやすい環境を作るには必須の作業なので絶対に横着はできません。
最初はどのつるにメロンの実がなるかの判別が難しく、父や母の倍の時間をかけて整枝作業をしていました。
4月、メロンが握り拳ほどに大きくなってきました。
メロン栽培において、温度の他に私たちが常に気にかけていることがあります。それはメロンにあげる水の量です。
水を多くあげれば失敗は少なくなりますが、味や甘みが薄く水っぽいメロンになり、メロンが大きくなった時にかけ過ぎると割れてしまうこともあります。
メロンはギリギリの水分で育成し飢餓状態に近いと、地中深くに根を張り糖分を実に蓄積しやすくなります。
当園ではその性質を利用し、メロンが枯れないギリギリの的確な水分調整をすることによって、糖分を薄めず高いまま維持して成長してくれるように促しています。
また、この段階でメロンの実を剪定する「摘果」という作業を行います。複数付けた実を全て大きくすると栄養が分散してしまい、美味しく甘いメロンができにくくなるため、形や大きさの良いものを選んで他は摘んでしまいます。
一見丸い実が良さそうに見えますが、メロンは縦に成長してから横に大きくなる性質を持つため、この段階ではラグビーボールのような縦長のものを選ぶのがポイントです。
5月に入るとメロンも大分大きくなってきました。メロンには大きく分けて3つの成長ステージがあります。
◆「初期肥大期」という実の細胞が増えて大きくなる段階。
◆ある程度大きくなったら外皮が硬くなる「硬化期」という段階。
◆外皮は硬いけど、まだ中の実が成長しようとして外皮にヒビが入る「ネット発生期」という段階。
初期肥大期以降のメロンはステージによって温度にとても敏感で、水分もステージによって必要量が異なります。
それぞれの段階に適した水分量や温度を見分けるのは経験や知識が必要ですが、何より大切なのは毎日ハウスに足を運びメロンの様子を見ることです。
ハウス内には、雑草防止や土壌の温度を上げるために、緑色のビニール(グリーンマルチ)を敷いています。
ネット発生期のメロンはこのグリーンマルチの影響で表面が焼けたり、直接メロンがマルチに触れている部分の色が悪くなってしまったりと、様々な影響が出る場合があります。それらを防ぐために、メロンの実一つ一つの下に皿を敷いていく「皿敷き」という作業を行います。
皿を敷かずに、白い網目状のネットをあらかじめ敷く場合もあります。この皿敷きやネットの設置は、ビニール表面の温度からメロンを守る以外にも、メロンのネットを玉全体に綺麗に出す役目も担います。
メロンが大きくなるにつれて、同じ個所が皿やネットに触れているとネットが綺麗に出ないため、皿やネットを敷いた後も、メロンの位置を何度か調整する「玉直し」という作業も行っていきます。
この時期のメロンにどう接したかで、最終的なメロンの味や見た目が大きく変わります。
初期肥大から硬化期、ネット発生期を経ていよいよ「収穫」へ。
収穫を迎える6月になると、メロンの育成も最終段階に移ります。
写真を見ると葉っぱが枯れている!?と思われるかもしれませんが、実はこれがメロン収穫へ向けたサインの一つなんです。
メロンは品種にもよりますが、収穫の段階になると複数のサインが現れます。
一つはこのメロンの実の先に付いている葉の枯れ。これは茎から得た栄養が上手に実にいっている証なんです。
茎と実の境目に、薄っすら離層(りそう)と呼ばれる線が見えるのが分かりますでしょうか?これも収穫判断の目安になります。
こうしたメロンから発せられる一つ一つのサインを見逃さないためにも、収穫日が近づいてくると、いつも以上に一日に何度もハウスに足を運びメロンの様子を確認します。
メロンは甘くなればなるほど劣化が早い野菜です。通常スーパーなどに並ぶメロンは、そのメロンがいつ食べていただけるかの判断がつかないため、鮮度優先で糖度が乗り切る前に早採りをする場合が殆どです。
農家である私が通販で直販を始めた理由の一つが、この一番美味しいタイミングのメロンをハウスからあなたに直接お届けできるという利点があったからです。
このタイミングでメロンを召し上がっていただきたい!という時期に収穫し、ハウス内で一番甘くなったメロンをそのまますぐ直送できるのが、スーパーやお店のメロンとの大きな違いです。
これ以上置くとメロンが割れてしまうギリギリまで待ってから収穫するこの方法は、
農家直送だからこそ実現できる収穫法です。
メロンが割れるなどのリスクも伴いますが、メロンの味を決める一番大事な作業なので収穫時期の妥協は一切しません!
6月中旬、メロンの収穫を迎えました。2月から我が子の様に育ててきたメロンが、大きく立派に育っている様子を見るのがとても嬉しく、農家として幸せな時間でもあります。
ただ、この時に一気に収穫する訳ではなく、まだ未熟だと判断したものは無理に取らずにハウス内に置いてさらに熟させてから収穫します。
メロンは大きなもので一玉2kg以上にもなるので、この収穫やメロンを運ぶ作業は体力勝負です!
収穫後は、メロンを一つ一つ丁寧に洗って乾燥させてからお届けしています。
実はメロンには目に見えない小さな産毛が生えているので、収穫後はその産毛を除去するために必ず洗う作業を行っています。
収穫したメロンを一つ一つ検品!いよいよメロンがあなたのもとへ。
収穫し洗って乾かしたメロンは、一つ一つ丁寧に検品していきます。この時、重さも専用のはかりを使用してしっかりと量りサイズを分けています。
メロンは自然のものなので、どうしてもネットが上手く出ないものや、色や形が悪いものが出てしまいます。ですが、メロンは形や色、ネットの良し悪しで味が変わったりはしません。
見た目を綺麗にしてあげられなかったメロンには申し訳ない気持ちになりますが、メロンには見た目の善し悪しも大切だと考えているので、良品から外し訳あり品にしています。
検品が終了したものからサイズごとに箱詰めです。私の畑で収穫したメロンが、全国のたくさんの方に美味しく召し上がっていただけることを願って、ヤマト運輸さんにお渡ししています。
収穫・発送が無事に終わったら、来年に向けメロン栽培最後の作業の始まりです。
メロンを収穫した後は、ハウスの換気を全て締め切って意図的にメロンの葉や茎を枯らします。枯らすと持ち出しやすく処分もしやすいのですが、それでもとても重く重労働の連続です。
男性の私ですら息を切らしながら行う作業ですが、女性である妻も毎年一生懸命黙々と片づけを手伝ってくれます。こんな素敵な妻に出会え楽しい農業ができている私は、とても幸せな農家だと日々感じています。
メロンの片づけが終わったら、冒頭で説明させていただいた、熱の力で土壌を除菌する被覆(ひふく)という作業を行います。
メロンに悪さをする病害虫を安全な方法で薬剤を使わずに処理できるので、当園では土壌にビニールを覆い換気を全て閉めてハウス内の温度を上げ除菌します。
健全な土壌を保ち、また来年も美味しいメロンをあなたにお届けするためには欠かすことのできない作業です。この作業がメロン栽培最後の作業となります。
私たちのこだわりが詰まった貴味メロンは、こちらからご注文いただけます。
貴重なお時間を割き、最後までお読みいただきありがとうございました。このページをご覧になって、少しでも一緒にメロンを育てている体験をしていただけたのなら私たちも嬉しいです。
美味しい極上のメロンを目指して、当園はメロン栽培には一切手を抜きません!祖父から受け継いだこだわりが詰まったメロンで、メロンが大好きなあなたに喜んでいただけるメロンをこれからも通販でお届けいたします。
1年に一度しか食べられない期間・数量限定の貴味メロン。ぜひあなたにご賞味いただけることを願っています。